企業用 Xbox が必要な理由

企業用 Xbox が必要な理由 「Microsoft Xbox 360」は戦争ゲームで大量殺戮の夢想に没頭するダラダラした若者向けのオモチャのはずだ。

いや、多分そうなのだが、もしかするとそれをはるかに超える用途があるかもしれない。

現実問題として、Xbox はかなりパワフルな PC であり、つい最近、未来のユーザーインターフェイスである、“ジェスチャ”による強化が行われている。

ジェスチャベースの計算処理は WIMP （ウィンドウ、アイコン、メニュー、ポインティングデバイス）ベースの計算処理から世界を奪うことになるだろう。

ジェスチャは「Microsoft Surface」テーブルに加え、Apple のiPhone、iPods、iPad、そして CES で発表された多数の iPad 類似製品など、各種の既存デバイスをコントロールする。

そしてもちろん、ジェスチャは「Microsoft Kinect for Xbox 360」のコントロールも行う。

今では、ジェスチャが、計算処理関連のあらゆるエッジデバイスをコントロールするが、計算処理の主流であるデスクトップ PC では、依然として、すべてが常に WIMP で行われている。

Apple がしたこと
 

こっそり教えるが、Apple は、だれもが予想だにしなかった、息をのむようなビジョナリー戦略によって、業界をゆっくりと支配しつつある。Apple がしていることを以下に紹介する。

1. スーパーエレガントなジェスチャベースのタッチインターフェイスを発明し、それをパワフルな携帯電話 OS （後の iOS）に組み入れる。

2. iOS 搭載の携帯電話を出荷する。

3. iOS 搭載のメディアプレーヤーを出荷する。

4. iOS 向けに非常に使いやすい App Store を開設する。

5. iOS 搭載のタブレットを出荷する。

ここまでは Apple がすでに行っていることだ。将来的にはほぼ確実に、残りの業界支配作戦を展開するだろう。

6. iOS 搭載のより大型のタブレットを出荷する。

7. デスクトップ版 iOS 搭載のタッチスクリーン式デスクトップ PC を出荷する。

この息をのむような戦略は、新しいジェスチャベースのプラットフォームで Apple 自身の OS X システムのシェアを奪うことも意味する。そこには超小型デバイスである iPhone も関係し、それが世界を Apple の方向に向ける役割を担う。

筆者が思うに、Microsoft が同様の大胆な動きを見せなければ、数年後には Apple が PC 市場のシェアを50％以上獲得するはずだ。

Microsoft がすべきこと
 

Microsoft は iPhone ではなく Xbox で同様の戦略を実行に移すことができるし、そうすべきだ。Microsoft がすでに実行していることを以下に紹介する。  

1. Xbox を出荷する。

2. Xbox Live を立ち上げる。

3. Xbox の音声/ジェスチャコントロールを可能にする Kinect を出荷する。

ここまではよい。Microsoft には Kinect というキラーデバイスがある。これは、Apple iPhone と同様、数百万人の消費者にジェスチャコンピューティングの使い方と楽しみ方を教え込んでいる。そこで、これから Microsoft が以下の行動に出て、その戦略を完成させるときがきたのだ。

4. 企業のファイアウォール内にインストールして管理する企業版 Xbox Live を立ち上げる。

5. Kinect for Xbox 360 用にすべてのOfficeアプリケーションのジェスチャ/音声コントロール版を開発する。

6. エンタープライズ版 Kinect for Xbox 360 アプリを開発する開発者を獲得する。

ユーザー、企業、パートナー、そして特に Microsoft 自身など、だれにとっても Xbox for Enterprises は素晴らしいものとなるだろう。

 
ユーザーのメリット
 

企業幹部などのビジネスユーザーは、自分のオフィスや重役室に大型スクリーンを置きたがるだろう。机の上ではノート PC のほかにこれらを使うことになる。そして会議室では、あまりに高額で利用方法も限られたビデオ会議システムに取って代わるようになるだろう。  

音声とジェスチャを使うことで、ユーザーは、データがリアルタイムに更新される大画面のビジネスダッシュボードを、一日中見られるようになる。そして、ちょっと手でジェスチャをすれば、プレゼンテーションのページで作業を行ったり、大画面ビデオ会議を行ったり、部屋の中を歩き回りながら音声コマンドを使って電子メールを打つこともできる。

ほかにも、Kinect スタイルのインターフェイスではユーザーをイスから立たせることになるため、一日中座り続けることで引き起こされる健康上の問題に対処することもできる。

 
企業のメリット
 

大画面は生産性を高める。しかし、目の前5〜60センチ先で作業できる画面の大きさは、すでに限界を超えている。Kinect スタイルのインターフェイスでは、超巨大画面の使用が可能になるが、それは3メートル以上離れることになる。  

ウォールストリートなどの各種金融サービス業（すでに画面一杯のデータ、テレビ、個人向けフィードを1つの画面に統合している）なら、これらのデバイスを大いに気に入ることだろう。




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